しょうぶ学園展 トークイベントを開催しました
2023年6月14日
「しょうぶ学園展」はおかげさまで連日たくさんのお客さまで賑わっています。ありがとうございます。
最初の週末の6月11日(日)、鹿児島からしょうぶ学園統括施設長の福森伸さんをお招きし、トークイベントを開催しました。
創造的な福祉事業活動を続ける、障がい者支援施設「しょうぶ学園」。
学園では、1985年から「工房しょうぶ」として、木工・陶芸・和紙・染め・織り・刺繍などのクラフト作品を作る環境を整え、利用者とサポートスタッフのコラボレーションによって、楽しく自由な作品が生まれています。また、アート作品や、民族楽器を中心に結成されたパーカッショングループ 「 otto&orabu (オット&オラブ) 」 による音楽活動にも取り組まれています。
何ものにもとらわれない作り手たちの自由な表現は、衝撃的で、美しく、見ているこちらの五感刺激してくれるものばかりです。しかし、制作をサポートするスタッフや、福森さんご自身、出てきた作品を販売する形にまでする過程など、そこにはさまざまな葛藤があると、お話しを聞きながら感じました。
事前の打ち合わせで話の流れやタイムスケジュールを決めようとするのを、「それはもう、いいんじゃないかな」「そこは流れで」と福森さんから促され、内心はどきどきしながら、司会と対談形式で話しました。普段の学園の様子や、施設利用者たちと作業する工房の成り立ちなどゆるゆると話し始めながら、時に話題を変えながら、福森さんのお話は核心へと螺旋階段のように流れていきます。
「ずっと丸を描き続けている人は、それが日常の一部。それを美しいと思ってアートとして飾ったり商品化するのは、コラボレーションではなくエゴだよね」
トークイベント後半では、障がい者施設にアーティストを派遣する事業「高松アートリンク」を主催するNPO法人ハートアートリンク代表理事の田野智子さんに加わっていただきトークセッションに。田野さんと福森さんは、共に20数年お互いに福祉活動をされていらっしゃいますが、意外にも直接お会いするのは初めてだそう。
まずは映像を交えながら、アートリンクの活動の概要を田野さんからご説明いただきました。参加しているアーティストの山端篤史さん、平川めぐみさん、oowetsこと渡邊和三郎さんにも加わっていただき、福祉の現場に外部から入っていく活動の難しさ、何より出来上がった作品の楽しさについても語っていただきました。
アートリンクの活動の様子を見た福森さんは「みんながハッピーな顔をしているね」とにっこり。しょうぶ学園での活動とリンクさせながら、障がいを持つ人たちの日常についての言及がありました。
アーティストからの「どうしても作品の完成を求めてしまう」との言葉を受け、「障がいを持つ人たちにとって完成を目指しているものはない。日課のように描いている(作っている)ものを、僕たちがアートピースやクラフトの商品として切り取っているだけ」との言及がありました。
またアーティストが出かけていくアートリンクの活動に呼応して、しょうぶ学園では、「障がいを持つ人たちのありのままの姿を見てもらうために、しょうぶ学園に来てもらう、という方向に転換している」と。そのために学園内には、ギャラリーやショップ、飲食店などの施設を作り、あらゆる人たちを入所者たちの日常を体験してもらうようにしているそうです。
最後には、それぞれの感想やこれからのことを語り合い、アーティストからは「気づきがあった」との嬉しいお言葉が。お別れの際には、できあがったばかり(!)という otto&orabuの新曲を特別に聴かせていただきました。
満員御礼の中、質疑応答も満足にできませんでしたが、参加者の皆さんのお顔が晴れやかでした。
福森さん、そして田野さん、山端さん、平川さん、oowetsさん、
そして会場にお越しくださいました皆さん、
本当にありがとうございました。
しょうぶ学園展は6/20(火)までの開催です。
ぜひお越しください。
しょうぶ学園 展
2023年6月7日(水) 〜 2023年6月20日(火) ※6/19(月) 定休日
11:00〜19:00
場所:まちのシューレ963 ギャラリー
しょうぶ学園展 開催中です
2023年6月 8日
ギャラリーでは「しょうぶ学園展」開催中です。
連日たくさんの方々にご来店いただきまして、ありがとうございます。
しょうぶ学園は鹿児島県鹿児島市にある障がい者支援施設で、今年の春で開園50周年を迎えられました。
支援事業の柱のひとつが〈 ものづくり 〉。その要となる「工房しょうぶ」ではアート&クラフトをテーマに、自由で何ものにもとらわれない作り手たちの表現を引き出し、利用者と学園スタッフの協働によって日々作品が生まれています。
写真の鉢植えは、しょうぶ学園の利用者が一つ一つペイントした鉢に、鹿児島県鹿屋市にある「Araheam (アラヘアム)」が植え込みをしたものです。
Araheamは、自社農場で育てた観葉植物や多肉植物に加え、鉢や花器などのガーデニング雑貨の販売やファッション、国内外の作家によるクラフト作品もセレクトするライフスタイルショップで、今回の企画展の為に、鹿児島からたくさん届けてくださいました。
目を奪われる明るく個性的な色や柄の鉢と、Araheamの楽しい植え込みが唯一無二の作品となっております。
木工や陶磁器作品は、皆さまじっくりと見てお気に入りを手にされておられます。
和紙のうちわ。小サイズと大サイズがございます。
色の濃淡がとても美しいです。
壁面の絵画は、翁長ノブ子さん作
和紙 墨汁 800×600×250mm
和紙と針金をあわせたこちらの照明は電球とスタンド付き。
和紙をとおしてやさしい明かりをお楽しみいただけます。
壁面の手描きTシャツは1点もの。木のテーブルにはシルクスクリーンTシャツを並べております。
しょうぶ学園50周年記念誌や、統括施設長・福森伸さんの書籍「ありのままがあるところ」、otto&orabuのCDなど販売中です。
しょうぶ学園のDVDはギャラリー内で映像が観れますのでぜひご覧ください。
「しょうぶ学園展」は6月20日(火)まで開催中です。
感性あふれる作品の数々を実際にみて触れて感じていただける機会です。
皆さまのご来店をお待ちしております。
※ 6月19日(月)は定休日です
小野哲平展 Teppei Ono ceramic exhibition開催中です
2023年4月27日
ギャラリーでは小野哲平 陶展を開催中です。
今回は、たくさんの薪窯のうつわと、用途を特定しない作品が並びました。
薪の火で焼成されたうつわは、それぞれ違う表情をもっています。お客さまのお一人が、並んだ皿を見て「宇宙みたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。一つのうつわの中にも、面裏、高台、見込みなどそれぞれに見どころがあり、じっと見つめていると木や石や水など自然物と重なって見えるような瞬間があります。
手に持つと、しっくりとなじむ「たなごころ」があります。どっしりとしているのに、思いの外軽く、これでご飯を食べたら、お茶を飲んだら美味しいだろうなと思わされます。哲平さんのうつわを愛用されているお客さまは、会場に入った途端「美味しそう!」と一言。使った様子が直感的に浮かぶうつわなのだと思います。
今回の展示では、香川県産の檜を使ったパレットを展示台としました。
会場に入ると檜のいい香りと、哲平さんのうつわに包まれます。
その中で異彩を放つのが、「用途を特定しない」と先ほど表現した作品群です。一般的には「オブジェ」などと表現されることが多いですが、哲平さんからはその言葉に違和感がある、とのことでこのような表現を用いました。
題名には「debris(デブリ)」とあります。広島の原爆資料や東日本大震災・福島の原発事故などからインスピレーションを受け、名付けられたそうです。陶に鉄やステンレスなど金属が溶けあったり、相反したりしている作品は、同じ土と火でできていながらも、人を包むような先ほどのうつわとは真逆のもの。けれど、目が離せない存在感があります。
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初日には『ものづくりラヂオ「どうしたら自由になれるのか?」』と題したトークイベントを開催しました。
ものづくりを実際にしていらっしゃる方や、職人、移住の方、芸術に関わっている方など、さまざまな方にお集まりいただきました。哲平さんが土の仕事を志した理由が「自由に生きたい」「生き方を他者から押し付けられるのではなく自分で決めたい」という気持ちからだったとのお話しからスタート。自由を獲得するには、いい仕事・責任ある仕事をしてかなければならない、と。そこから参加者それぞれの意見や職業のことなどを交えてトークセッションが始まりました。哲平さんの映像を作ってくれた、音楽家のOOWETSさんも登壇し、哲平さんのリクエストをもとに音楽を流したり、そのミュージシャンのライブ映像をみんなで見たり、合間で参加者とのトークをしたり、とまさしくフリーセッションとなりました。
小野哲平 陶展は5月7日(日)までの開催です。
この機会にぜひ、作品を実際に手に取ってご覧ください。
小野哲平 陶展
Teppei Ono ceramic exhibition
2023年4月22日(土)〜5月7日(日)
11:00〜19:00
まちのシューレ963 ギャラリー
小野哲平 陶展 写真について
2023年4月14日
4/22(土)から開催の「小野哲平 陶展 Teppei Ono ceramic exhibition」のメインビジュアルは、香川で活動を続ける写真家の宮脇慎太郎さんにお願いしました。
柔らかな光を内包する、宮脇さんならではの視点で切り取った、小野さんとその工房の写真をご紹介します。
澄み渡った青空と菜の花が美しい3月。
撮影は小野哲平さんの工房で、窯焚きの日程に合わせて行いました。
まだ肌寒い山のてっぺんでは、窯焚きの炎が暖かく感じます。薪をくべる様子は豪快に見えますが、実際には温度の管理など、繊細で地道な作業の連続です。穏やな時間が流れつつも、どこかピリッとした緊張感があります。宮脇さんの写真からは、そんな空気感が直に伝わってきます。
小野哲平展では、この窯焚きの際の作品が多数出品されます。
ぜひ手に取って、お選びください。
皆様のお越しをお待ちしております。
宮脇慎太郎(みやわき・しんたろう)
写真家。瀬戸内国際芸術祭公式カメラマン、専門学校穴吹デザインカレッジ講師。1981年、香川県高松市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本列島では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2008 年、東京から高松に活動の拠点を移す。2020年、香川県文化芸術新人賞を受賞。写真集に『霧の子供たち』(サウダージ・ブックス、2019年)ほか。
※小野さんの工房への、一般の方の出入りはご遠慮ください。
小野哲平 陶展
Teppei Ono ceramic exhibition
2023年4月22日(土)〜5月7日(日)
11:00〜19:00
まちのシューレ963 ギャラリー
小野哲平 陶展 の 映像ができました
2023年4月12日
4/22(土)から開催の、「小野哲平 陶展 Teppei Ono ceramic exhibition」のために音楽家・OOWETSが撮影・編集した動画をまちのシューレ963公式Youtubeチャンネルにアップしました。
こちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/stc12FrhADc